「桜の木の下には死体が埋まっている」っていう有名なフレーズ。
色んな小説とかで繰り返し使用されていますよね。
でもこれって元々なんだっけ、とふと思ったのでした。
検索してみる。
ああ、梶井基次郎か。
しかも「木」じゃなくて「樹」、「死体」じゃなくて「屍体」だった。
とても短い作品なので、ネット上で全文を読めてしまいました。
読んでいると、あれ、この文章を読むの初めてじゃないな、と気が付きました。
でもいつどこで読んだんだろう。
思い出せない…。
有名な文章だから、知っていてもおかしくはないけれど、読んだ記憶が無い。
教科書に出てきたのだろうか。
学校で読むには若干気味が悪いと思うけれど。
「檸檬」を読みたくて、文庫本を買ったら思いのほか短くて拍子抜けした記憶が。
ここまで思い出して、もしや、と思いました。
本棚の一番上、文庫本を収納している段を見てみる。
短編集「檸檬」はまだそこにありました。
取り出して、目次を見ると「桜の樹の下には」とあります。
文章に見覚えがあって薄気味悪く感じていたけれど、なんてことはない、
自分で買った本に収録されていて読んでいたのでした。
なんだ、そういうことか。
知らないはずの文章に見覚えがあって妙に怖かった。
本を所有して読んでいたのに梶井基次郎の作品だということも忘れてしまうなんて。
本当に怖いのは…自分の記憶力かもしれませんね…。